「Natural Glow No.33 特集 立木義浩 舌出し天使」でご一緒した立木義浩さんの「立木義浩 写真展:黒と白の狂詩曲(ラプソディ) Yesterdays」が銀座にあるシャネルネクサスホール(CHANEL NEXUS HALL)で開催されました。
今だからこそ味わえる立木義浩ワールドを思いっきり味わえる写真展でした。
ナチュラル・グロウ―モノクロ写真を楽しむ写真誌 (No.33(2004年7,8月)) 中古価格 |
著者:福田清峰
初版:2004年6月20日
5年前、初めて二人で撮った写真。
写真家の立木義浩さんと初めてお仕事をしたのはもう21年前のこと。
それから10年間、ご一緒させていただきました。
この人に出会えなかったら、編集者として、人として、こんな風に生きてくることはできなかったと思います。
立木義浩さんに出会えたからこそ、今の自分があります。
人としての生き方、人との接し方、いい仕事ということ、ケツの拭き方、ミスした時のフォローの仕方…….すべてを目の当たりに教えていただきました。
この人がいなかったら、どうなっていたのだろうと、想像することさえできないかもしれません。
立木義浩さんとの出会いはこちら↓をご覧ください。
「わが心の師/立木義浩 写真展「PIECE OF CAKE」at キヤノンギャラリーS」
立木義浩さんのことを語ったYouTube動画↓をご覧ください。
「【本の魔力】人生を変えてくれた本《特別編》「Natural Glow No.33」立木義浩【編集者おすすめの本・書評】」
今回の写真展に寄せて、立木義浩さんは「スナップは今(時代)を吸収しながら撮るものだ。頭のなかで熟成されたイメージを再現するものではない。その場で感じたこと、そこに発生したものに寄りそい、拾いあげる。おそるべき通行人としてのセンスを問われるわけだが……」と仰られています。
ナチュラルグロウの創刊号のインタビューで、「何を撮ったらいいのか?」というどうにもならないほどの乱暴な質問に、「好きなものをお好きなようにお撮りなさい」と仰られていたのを思い出しました。
立木義浩さんの写真はみんな好きですが、一番好きなのは「奄美諸島喜界島」というシリーズです。
無理をお願いして、Natural Glowにも一度広告として掲載させていただいたことを思い出しました。
いつか喜界島へ行って、このシリーズを追いかけるように写真を撮りまくってみたいと思います。
今回の写真展には4人の女性が登場します。
その中の一人に懐かしい顔を見つけました。
ナチュラルグロウVol.3 issue1の巻頭で立木義浩さんが撮り下ろした「piccolo」です。
ハッセルブラッドの6×6(スクエア)フォーマットが原点にあって勝負しているからこそ、モノクロで楽しんでいるからこそ、ちょっとした画面の中のいたずらや光のマジックが効いてくることをたくさん教わりました。
ナチュラルグロウの創刊号で立木義浩さんが撮り下ろした「由里亜」。
立木義浩さんの光とモノクロームのワールドが炸裂していました。
スクエアフォーマットとモノクロにこだわったこの写真展、展示されている写真は、もちろんすでに過去のものです。
それは、真実を写すと書くはずの「写真」が撮る人の感情と琴線に触れることで、撮る人にとって心地の良い勝手な記憶となり、すべてが重なりあって物語となっていきます。
そんな会場の中に4枚だけカラー写真があります。
35mmサイズのフィルムサイズである3:4なのか、中判サイズの6×8なのか8×10なのか……。
いずれにせよ、これも立木義浩さんの写真という遊びであり、「〝泣き言〟はいわないと決めた」と仰る御年81歳になられる立木義浩さんのファニーな覚悟にも見えた。
こういった街角の何気ない立木義浩さんのスナップを見ると、必ずそのあとしばらくの間はこの写真を追いかけて、街を徘徊するように写真を撮り続けたものです。
扉は私が立木義浩さんを撮らせていただいた貴重な1枚です。
立木義浩さんの写真で2番目に好きな作品が、立木義浩さんの出世作ともいえる「舌出し天使」です。
初出は1965年4月号の「カメラ毎日」。
写真 立木義浩、構成 和田誠、 詩 寺山修司、解説 草森紳一という時代の寵児たちが集結して完成した作品を、40年後にアートディレクションしろと言われたときの感動は今も忘れることができません。
「ファッションについてはお金がないこともあるけれど、いつの時代でも通用する普遍的なものを一番心がけていた」と立木義浩さんが仰っられていたように、今見ても、なんの遜色も感じないのがすごいです。
「若気のいたりで撮影はすべてゲリラ戦法。
兼ねて下見をしておいた格好の場所へずかずかと入って撮影をする」
良き時代でもあったと思いますが、だからこその楽しさ、写真を撮る楽しさが痛いくらいに伝わってきます。
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